米国の元大統領ビル・クリントンはアーカンソー知事時代、
地域の再生を行なうには、「教育再生」こそが大切であると唱え、
自らが教壇にたち、地域の再生を見事に成功させた。
国でも、教育改革が言われているが、
地域からも大きく教育の改革が求められている。
現場の先生方は、厳しい環境のなかで大変がんばっている。
では、何が問題なのだろうか。
私は教育行政のあり方に問題があると思う。
現場の先生達が日々奮闘しながら教育に取り組んでいても、
それを管理する教育委員会、つまり、教育行政が役所のエリートが
行なっていることである。
教育長は多くが、役所の天下りポスト。
教育部長も、課長も係長も役所のエリート役人ポスト。
多くが3年間の腰かけポストなのである。
教育は単年度の問題ではない。
10年、20年のビジョンで考えていかなければならない。
他の部署から来て教育のことを突然考え始めた公務員では、
いくらやる気があっても、限界がある。そして、わかったら移動である。
これでは前例主義がはびこっても仕方ないし、
長期ビジョンでの学校経営はできない。
もちろん、役所とのパイプのため役人ポストも必要ではあるが、
教育委員会の主要ポストは、学校長や教師が
半分以上務めていいのではないだろうか。
いや、務めるべきではないだろうか。
現場の先生がさまざまな問題を抱えたとき、
つきあたるのは、教育行政である。
教師は、実際、有能な人も多い。
こうした人々の能力をもっと活かして、教育行政の自立を進めることこそが、
私は、教育の再生にもつながると考えている。
これらを、押し進めるのは、やはり、首長の役目である。
役人のポストのために、教育の場を使ってはいけない。
現場を理解し、教育を愛する人が教育行政は行なうべきだ。
そして、真の教育活動の支援こそが、行政の使命なのである。