2011年4月アーカイブ

被災地の瓦礫処理問題が気になる。

地震後、2回、現地に訪れたがアスベストが気になる。海水をかぶったからアスベストは出ないと思っていたが、現地に行くと日に日にアスベストで空気が白くなってきた。そうした中、警察官が一所懸命、交通整理をしている。

被災地の瓦礫処理、阪神淡路大震災の時は建築士が、まず、全世帯の被災状況を確認し、全壊、半壊などと判定し、全壊世帯に関しては三者契約(家屋の持ち主、解体業者、行政)を交わし、解体を進めた。解体費用が公費である。

そして、この契約のもと、許可された解体車両が通行許可証を持ち、交通整理された専用通路を通り、リサイクルセンターに行く流れであった。東日本震災では、こうした動きが進んでいない。

国は急いで公費負担を行うと宣言したのは良いが、具体策が進んでいない。一部、地元の解体業者は独自に業務を行っているが、前述のようにアスベストや交通渋滞などの問題への対策が講じられていない。おそらく、政府にはトータルに考えられる実務の専門家がいないのであろう。

阪神淡路大震災の時は、私もこの三者契約の事務センターに携わったが、神戸市だけで毎日300人近い事務員が受付に携わり、約3年間、こうした業務が続いた。莫大な事務業務である。被災地の自治体だけで、これだけの業務をこなすことはできない。

次に、瓦礫の仕分け作業である。今回の瓦礫の中には、船や車、又、大切な各家庭の私財などがある。まず、仮置き場に瓦礫を移動させ、そこで、仕分けする必要がある。できれば、私財や思い出の品は持ち主に返してあげたい。それだけの考慮が必要である。

また、仕分けされた瓦礫は、例えば、車や船などからのものも含めた金属類は海外で建築資材などに販売することができる。こうした面から考えると、海岸線沿いで仕分けを行い、船で海外に販売することが望ましいであろう。

次に心配することは、本格的に民間レベルの解体が進んだとき、前述したアスベストや交通渋滞の問題の他、解体業務の携わる人、作業員、トラック運転手などの宿泊拠点の問題である。数千人規模の宿泊場所、生活拠点が必要となる。

今の被災地にこれだけの人を収容するだけの拠点はない。私は被災地の各県に行ける山形県がこうした拠点にふさわしいと考えていた。大きな被害がない山形県は拠点として最適だ。しかしながら、政府の復興会議の人選には山形県知事は含まれていなかった。

テレビでは新しい未来を創るとか色んな話題が繰り広げられている、しかしながら、こうした瓦礫処理問題、一つをとっても迷走していることがわかる。今は、まだ、自衛隊が現地で活躍してくれている。しかし、自衛隊はやがて引き上げることになる。

それから、復旧復興事業に携わのは民間である。民間に正しく指示を出し、総合的な指示を出していくのが行政の役割である。阪神淡路大震災の時は、主に、神戸市だけで解決できたが、今回は多くの市町村にまたがる。

こんないいかげんな状態で良いのかと不安になったりする。政府のいいかげんな対応により、二次災害が広がらなければ良いが、とても心配である。

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