神戸でのある被災者の経験談

お世話になります。

昨日の話を回りにいる同僚に話した所、いろいろな意見がありまし たので、私だけでなく、神戸にいる震災経験者の方々にいろいろ尋 ねました。

しかしながら、震災からはや17年?が過ぎており、具体的な事が あまりなく、お役に立てるかどうかわかりませんし、今回の災害は 私たちが経験したものと異なっているとも考えられま す。その辺りをご理解の上、集めましたアイデアをご参照ください。


震災直後から1週間

→直後は被災地におられる方々全てが被災者であり、警察官、市役 所の職員なども含めて、ご自分の家族の無事を確認と救出に走るた め、被災者達は自分たちの力だけでなんとか窮地から脱 しなければ なりません。少なくとも3日間は自分たちで「生きていく」事を考 えなければなりません。3日を過ぎた辺りから、少し余裕が持てる人々が周囲の困った方々 への手助けに行く事ができます。1週間は近所の方々と協力しなが ら、生活できる環境を作っていかなければなりません。

物資や救助隊などは、被災地への道路が寸断されており、はっきり 言って期待できません。行こうにも道がないのですから。

1週間を過ぎた辺りから、徐々に各地からの援助、救急隊や自衛隊 などが被災地へ入り、本格的な救助活動が始まります。もちろん、 地震がおきた当初から何かしらの救援隊が一部の地域で あったかも しれませんが、それが全市、全地域とまではいきません。一般市民 への救援までは約1週間はかかります。


さて、ライフラインですが、電気が最初に復旧します。電線が地面 より上にあり、修理も比較的早い。比べて、都市ガスや上下水道の 復旧はなかなか進みません。特に上下水道は悪くする と1ヶ月かか るかもしれません。


アイデア

私たち阪神間の被災者は、このような環境の中で、身の回りにある ものを工夫して使って生活を送っていました。

1段ボール、新聞紙、発砲スチロールなどは暖をとるには最適な物 資です。スーパーなどで無料で配布しているものを利用されてはど うですか?

段ボールを布団の下に敷くと熱を奪われない。新聞紙をくちゃく ちゃにし、ゴミ袋にいれると、簡易の布団や枕になります。

2ウエットティッシュ、ポケットティッシュ、おむつ用ウエット ティッシュ

3生理用ナプキン(止血用に!)

4ラップ、アルミホイル

震災直後は水が一切使えないので、お皿などを洗わなくてもいい ようにラップやホイルで覆って使う。

5水を運ぶときは、バケツの中にポリ袋を入れ、その中に水を溜 め、口を縛ります。そうすれば、バケツから水が漏れません。

6ペット様室内トイレの砂。消臭剤も入っており、人間にも使えます。

7一方、「大」の方は、バケツの中に透けないゴミ袋を入れて用を たします。終わったら袋の口を縛って生ゴミと一緒に燃えるゴミと して処分。

8紙皿、紙コップ

9道路の溝のカバーとなっており網状の板(?)を調理に利用します。

コンロや電気が使えない間は、たき火で暖をとったり、ものを焼 いたりします。その際に、この編み目の板が大きなものを焼くのに 重宝します。(普通だったら役所の人に怒られます が)


購入すべきもの

1使い捨てのマスクと手袋あれば、消毒用アルコール

避難所や被災地の衛生状況はよくありません。

2風邪薬、下痢止め、外傷用塗り薬(マキロンのようなもの)、バ ンドエイド

3レトルト食品(カレーは暖めなくてもおいしく食べられます)

4粉ミルク:子供だけでなく、高齢者の方々への栄養補給用として も利用できます 5アメ、キャラメル:当分補給には欠かせません。関西では「アメ ちゃん」は必需品。

6水を使わないシャンプー

7ミネラルウォーター


あれば便利

1カセットコンロ、ガスボンベ

2懐中電気(2、3日で不要になります)

3ガソリン、灯油 しかし、現在手に入るのが困難です。


電気が使えるようになりましたら、

1電気炊飯ジャー:ご飯だけでなく、お湯を沸かしたり、おかずを 作ったりする事もでき、便利です。

2電気鍋、ホットプレート

3ペットボトル:45度から60度までのお湯を入れて、 湯たんぽとして使います。熱すぎると溶けますのでご注意。


とにかく、水の確保が大事。この話を周囲の人とすると必ず「水」 を手に入れるのが大変だったと言います。

お風呂も入れません。2週間は無理でしょう。

喉が渇くような食品も避けた方がいいです。非常食用に乾パンがあ りますが、ものすごく喉が渇きます。乾パンは避けて下さい。


あまり深刻にならなくてもいいもの

食料。道路が開放され、救援物資が届くようになると充分すぎる程 の食料が届きます。

私たちも、パンやお米などは充分に配給されました。

水も手に入ります。衣服も手に入ります。


最初の1週間をやり過ごせると後はなんとかなります。

日本を信じて、救助はそこまで来ています。

根拠のないうわさに惑わされないように。

あとは、春がそこまで来ていますが、まだまだ寒い日が続きます。 暖をとって体を冷やさないよう気をつけてください。

折角、ここまで生きて来れたのですから、体を壊して倒れてしまわ ないよう、ゆっくり体を休めて下さい。


最後に、地震や津波で亡くなられた方々のご冥福をお祈ります。そ して、被災者の皆様、阪神間の私たちもこうして生き抜いてきまし た。気を強くもって、助け合って頑張ってください。


神戸より愛をこめて

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