今回は日本国民が一致団結して克服しなければならない災害であることは誰もがわかっていることと思います。現在のニーズは水・食料、そして医療です。そのニーズを正確に把握し、適切な支援を行い、その効果があったのかどうかをきちんとモニタリング・評価をしていく必要があります。
阪神大震災からの教訓は、行政、現地の医療機関、外部からの支援者、大学などの専門家などがばらばらに支援・活動したため、全体としての効率・効果がさがってしまったというものがあります。それを今回は初動から一体化して協力し合おうというもので、まずは医療系NGOと大学と行政が協力しあう体制を作ります。
JICAの国際緊急援助隊の中心メンバーが設立し、全国の医療機関の医師・看護師などが参加するHuMAというNGOをはじめ、いくつかのNGO、東京大学、仙台市などが連携しあいます。まずは議員の皆さんにそれらの活動の重要性を理解して頂き、その後、資金集めや人材集めなどにご協力願えればと思います。手始めに、私のスマトラ大地震・津波、阪神淡路大震災、ミャンマーサイクロン被害などの経験をスライドでお示しし、今回の災害支援に何が必要なのかを講演しても構いません。
目的:
1)亜急性期・慢性期における地震・津波被災者の保健医療、精神的トラウマに関するニーズを迅速に把握・分析し、適切な支援・ケアを提供する
2)災害による健康影響と介入の効果について、科学的な分析を行い、将来の災害対策・予防のためのエビデンスを発信する
方法: 行政と市民団体とアカデミアの協力体制を構築し、避難所で生活する被災者に対して医療チームと生活支援チームによるサービスを提供し、対策につながる情報収集、分析、フィードバックを行う
支援体制:1)サービス支援:HuMA(日本の大学病院、県立病院などの救急医、看護士などからなる救急医療専門NPO、JICAの国際緊急援助隊の医療チームの中心メンバーが設立)、他、いくつかのNGOと交渉中
2)研究支援: 東京大学国際保健政策学が中心となり、他の大学にも呼びかけ中。文部科学省、厚生省の研究費を申請予定。米国からもワシントン大学等の支援予定。
3)行政支援: 仙台市との連携予定。