もう一つバブル「IPO」の崩壊

 数年前から新興市場の登場でIPO(上場)バブルが始まった。
大して売上げもないのに、なぜか、簡単に上場を果たしていくIPOバブル。


 学生起業がスタートであった私の友人も多くの会社がIPOを果たした。
起業後、3年で上場を果たすと言って、本当に果たしていく。


 うらやましい反面、異感を感じた私は、その世界から距離をもった。
二十年前の不動産バブルのときもそうであった。


 実際に儲かっていないのに、どこどこが出資しているから大丈夫と、
資金を集めて、さらにIRを重ねて、伸びているふりをして意図的に株価をあげていく。


 数年前には、IPOを果たしとんでもない高値がついた株価も、
今では、その多くが、百分の一の株価とかになっている。

 
 まともに信じた投資家は大損をした。
 

 それはそのはずである。


 新興市場では、わずか数億円や十億円規模の売上げで上場できた。
これらに目をつけた、事業家はみせかけの上場会社を多く作っていった。


 つまり、百億円や二百億円のお金を動かしている事業家が、
新しいIPOを果たす会社設立を画策し、自分たちの資金を還流させ、
毎年、会社が伸びているように見せ、株価をあげていくのだ。


 こうした会社の人形経営者には、さわやか系の外見が良い人形経営者が必要となる。
私の友人たちもこうして、多くが社長としてスカウトされた。

 
 しかしながら、やはり、バブルは崩壊した。
やはり、ごまかしの売上は通用しない。実際の売上はそんなに簡単に伸びるはずがない。


 株価が大幅に下がった今、雇われた経営者は本当のその責任はないかもしれないが、
株主にはそうはいかない。そうした経営者も責任を取らざるをえない。


 また、雇われた経営者は、株も大して持っていなく、
実際は、事業家の判断に大した抵抗はできない。


 こうして、一世風靡したIPO社長達が、職をとかれ野に捨てられたりしている。


 先日も、まさしく典型的な親しいIPO社長が相談に来た。
仕事がないらしい。
事業家が株価下落で、彼に相談なく、突然、株を大量に売ったらしい。
そして、新筆頭株主は、旧役員を必要としなかった。


 今更、彼らに地道な普通の仕事ができるのだろうか。


 また、IPO会社を実質的に操り続けた事業家たち。
人材派遣会社、遊戯会社、食品会社、不動産会社、アパレル会社など。
個性的ワンマンオーナー系が多い。具体的な顔が浮かぶ人も多いだろう。


 一世風靡したIPO企業。
そして、IPOバブルの崩壊、やがて、社会はどこにいきつくのであろうか。
時代の流れの本質を見ていかなければならない。

※誤解を招かないように書いておくが、これは、もちろん偏ったIPOの見方であり、
実業を伴い、地道な努力で業績が伸び、急成長を遂げている会社。
また、雇われた社長ではあったが、絶大なる功績を残した素晴らしい人も多い。
私感的なイメージを書いただけなので、個別の会社、個人の批評ではない。

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