石橋湛山 政治家に望む

石橋湛山先生が82歳のときに書いた「政治家に望む」という一文がある。

私が、いまの政治家諸君を見ていたら、一番、痛感するのは、
「自分」が欠けているという点である。
「自分」とはみずからの信念だ。
自分の信ずるところに従って行動するという大事な点を忘れ、
まるで他人の道具になりさがってしまっている人が多い。
政治の堕落といわれるものの大部分は、これに起因すると思う。
政治家にはいろいろなタイプの人がいるが、
最もつまらないタイプは、自分の考えをもたない政治家だ。
金を集めることが上手で、また大ぜいの子分をかかえているというだけで、
有力な政治家となっている人が多いが、これは本当の政治家とはいえない。
政治家が自己の信念を持たなくなった理由はいろいろあろうが、
要するに、選挙に勝つためとか、よい地位を得るとか、
あまり、目先のことばかりに気をとられすぎるからではないだろうか。

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