ジョーナリストから政治家になった石橋湛山氏の80年前の社説がおもしろい。
元来、わが国行政組織は、維新革命の勝利者が、いわゆる官僚政治において、
新社会制度の下において、国民を指導誘掖する建前の上に発達してきたものである。
であるから、役人畑に育て上げられた官僚が、国民の支配者として、
国民の指導者として、国運進展の一切の責任を荷なうという制度に、
自然ならざるを得なかった。これ、我が政治が国民の政治ではなくて、
官僚の政治であり、我が役人が国民の公僕でなくて国民の支配者である所以であり、
我が行政制度が世界に稀な中央集権主義であり、画一主義である根因である。
元来官僚が国民を指導するという如きは、
革命時代の一時的変態に過ぎない。国民一般が、一人前に発達したる後においては、
政治は必然に国民よって行なわれるべきであり、
役人は国民の公僕に帰るべきである。
今やわが国はあらゆる方面に行き詰まってきた。
画して、この局面を打開して、
再び、わが国運の進展を図るためには、我輩がこれまで、
繰り返しいえる如く、いわゆる第二維新を必要とする。
いわゆる第二維新のため、なかんずく、この際、
最も、必要なることは、国民の聡明と努力とを組織化して、
最も有効にこれを利用することである。
石橋湛山氏が80年前に唱えた提言
国民生活がここまで豊かになった今、
氏の思いを果たさなければならない。
今こそ、市民による無血革命が必要なのである。
第二維新。
また、石橋湛山はこうも言っている。
政治は一面にそれ自身が仕事であるとともに、
またその大なる意義は、
国民の公共心と聡明とを増進する実際教育の役目をなす。
つまり、政治家の役割は国民を目覚まさせることである。
つまり、政治家こそ、しっかりしなければいけないと論じている。