伝えたいこと: 2008年1月アーカイブ

今日は平和なお正月で、
午後2時から10時間テレビ番組徳川吉宗を見ていた。
そして、テレビを見ながら色々なことを考えていた。

一つ目は教育の問題。
昔からそうであるが、時代劇には、道徳がある。
親を大切にする。義を重んじる。筋を通す。

二つ目は組織の問題。
今の社会でもそうであるが組織の一員である以上、
個人の正義と組織の正義が相反することも多い。
自分では本当はこう思う、そうしたいと思いつつも、
当然、それが組織が進む方向と違う場合も多い。
組織人は涙を飲んで、組織に従わざるをえない場面がある。
ある意味、組織人はつらいものである。
(だから楽だと言う人いるが)

自分が今、仮に大きな組織のトップになっていたら、
組織のために、個人の思いをゆずらざるをえないシーンにも多く直面し、
いくつかの逆境に遭遇してだろうと、
負けよしみではないが、あらためて今の幸せな毎日に感謝をした。
個人にとっては、ある意味、平凡は最高の幸せなのである。

三つ目も組織の問題である。
組織というものは、情報が上まであがってこなく、
部下に情報操作されてしまう恐さである。
外から思えば当然のこととして、
部下は自分達が進めた方向に舵を進めていくために、
トップの舵をとっていく。
トップとは真実から遠ざけられやすい恐い役職なのである。

最後に、日本人はやはりハッピーエンドが良い。
これまで、時代劇は、たいてい単純なストーリーで、
正しいものが勝つストーリーで終わるので、
今日も長く楽しくハッピーエンドを期待して見ていたが、
エンドシーンは吉宗がたたきあげで将軍になったことで、
長く生き別れになっていた子供が死ななければならず、
子供が、死ぬ寸前まで会えないという悲劇であった。

個人の幸せを犠牲にしてまで、
組織を守らなければならないシーンをかいまみてしまった。

私は、正しくないと思うことを言う上司の指示に従うことがいやで、
起業の道を選んだが、組織のトップにたった場合、大義を守るために、
公を守るために、個人としてはしたくないことも、
せざるをえない場合もあるのだろう。でも、やはり、個人としてはしたくない。

年末、若手公務員たちとのある忘年会で、
公を思うあまり、上司や組織に憤りを感じている職員が
あまり多かったことも思いだしながら、
組織の強さと同時に、組織の悲哀という観点からもこの番組を見た。

吉宗の印象にのこった言葉は、
政(まつりごと)は、民(たみ)のために行なわれるべきであり、
政を行なう人間は、情をもち、尊敬されなければならないである。
吉宗は情をもって正義通す、真の改革派リーダーであった。