松村つとむ: 2007年5月アーカイブ

教育行政の自立

米国の元大統領ビル・クリントンはアーカンソー知事時代、
地域の再生を行なうには、「教育再生」こそが大切であると唱え、
自らが教壇にたち、地域の再生を見事に成功させた。

国でも、教育改革が言われているが、
地域からも大きく教育の改革が求められている。
現場の先生方は、厳しい環境のなかで大変がんばっている。

では、何が問題なのだろうか。
私は教育行政のあり方に問題があると思う。
現場の先生達が日々奮闘しながら教育に取り組んでいても、
それを管理する教育委員会、つまり、教育行政が役所のエリートが
行なっていることである。

教育長は多くが、役所の天下りポスト。
教育部長も、課長も係長も役所のエリート役人ポスト。
多くが3年間の腰かけポストなのである。
教育は単年度の問題ではない。
10年、20年のビジョンで考えていかなければならない。

他の部署から来て教育のことを突然考え始めた公務員では、
いくらやる気があっても、限界がある。そして、わかったら移動である。
これでは前例主義がはびこっても仕方ないし、
長期ビジョンでの学校経営はできない。

もちろん、役所とのパイプのため役人ポストも必要ではあるが、
教育委員会の主要ポストは、学校長や教師が
半分以上務めていいのではないだろうか。
いや、務めるべきではないだろうか。

現場の先生がさまざまな問題を抱えたとき、
つきあたるのは、教育行政である。
教師は、実際、有能な人も多い。
こうした人々の能力をもっと活かして、教育行政の自立を進めることこそが、
私は、教育の再生にもつながると考えている。

これらを、押し進めるのは、やはり、首長の役目である。
役人のポストのために、教育の場を使ってはいけない。
現場を理解し、教育を愛する人が教育行政は行なうべきだ。
そして、真の教育活動の支援こそが、行政の使命なのである。

会社を経営していると言うと功利主義、利益主義と言われる。
しかし、自分では全くそう思っていない。
本当にお金がほしいなら、選挙なんででなくて、
役所にぺこぺこしている方がいい。

大学時代、私達は新人類と言われた。
私達の時代は、特に贅沢したわけではないが、
食べるものに苦しむという時代ではなかった。
私も、大手企業のサラリーマンの子として、
平凡に育ったが、特に贅沢はしなかったが大切には育てられた。

生活するお金に苦しんだ人々はお金を求めるのかしれないが、
私の欲望は社会の「正義」と「自由」であった。
私は家庭では平凡ではあったが、「正義」と「自由」を教えられた。
そして、大学時代多くの大人を見てみると、
大人の社会は「正義」と「自由」がなく見えた。

変な上司に矛盾な命令を受けても組織員である以上、
従うのも理である。
また、組織に入るとわけもなく自由を奪われる。
結局のところ、正義と自由が勝ち取れる仕事は、
私には起業しか見えなかったのである。

私は、功利主義者ではなく、
自由主義者で、正義感が強いのである。
公務員になっても、公のために
働けるかわからない。行動も言動も縛られる。
個人的にはこれが正しいと思っても自由に発言できない。

幸いにも、私はこれまで、自由な生活と正義を貫いても、
生活を何とかやっていけることができた。
深く、自分の運命と社会に感謝している。

だからこそ、今度は、社会のために、
多くの人々が、正義と自由を貫けるように、
ミッションを果たしてみたい。
人間はお金に振り回されていけはいけない。

保守系改革

先日、ある首長選挙での出陣式の出来事である。
某新聞社の記者が私の近づいてきた。
松村さんですよね?どうして、ここにいるのですか?
え?と、私は一瞬、考えたが、。
この候補が、自民、民主、公明から推薦をとって、
選挙を闘っているから、不思議に思ったらしい。

私は、政策にはこだわるが、
政党にはそんなに別にこだわっていない。
一般論では、自民党は建設業界を始めとする
業界の支持を受けている。
そして、民主党は公務員の組合の支持を受けている。
これでは、確かにしがらみがあり、改革が行ないにくい。

しかしながら、これらの政党にももちろん有識者はいる。
私のように正論を言っていても、
確かに勝たなければ何も始まらないのも事実である。
この選挙区の首長候補は、各政党からの推薦は受けながらも、
是々非々で、主義主張を通している。
改革も押し進めている。尊敬にあたいするから応援するのである。

もっと言うならば、その地域の各政党は世代交代が進み、
自民党も、民主党も、経済界も新しい風吹いている。
決して、若いだけがいいとは言わないが
若い世代は、時代の変化を見ていることは事実である。

この地域の首長は、ある事件で、大きく世代交代が進んだ。
行政も地域も非常に良い方向に進んでいる。
近くにこんなに未来が広がってきているのに、
今の神戸はなんなんだ!という気持ちもある。

私は神戸においても、世代交代が進み、
新しいことに、どんどんチャレンジできる若者が活躍できる街に
神戸をしたい。それには、別に、政党にはこだわらない。
私がこだわるのは政策であり、その人の姿勢なのである。

現に、今でも、私には自民党にも民主党にも公明党にも、
改革志向の親しい友人は多い。
私は、非難することより、実行することが大切であり、
無責任な非難だけをすることは本位ではないと考えている。

新しい時代を創るのは私達である。
過去の実績を築いた先輩達には敬うことは大切だが、
変えるべきことは、何としても変えていかなければならないのである。
自分達の子供や孫たちのためにも。。。
神戸においても各方面で、
有識あるリーダーが立ち上がることを期待する。

4日間、また、中国に行ってきた。
この半年間で5度目の訪問である。
それにしても、行く度に中国のスケールの大きさと、
柔軟に時代に対応する躍動的な姿に感心する。
人口数十万に街を数年の間につくりあげる。
起業誘致に関してもダイナミックに優遇する。
土地の値段が1坪1万5千円というから、
1月の家賃?高いな?
いや、1年の家賃?少し安いな?
しかし、聞いてびっくり50年間使う権利料金らしい。
屋根つきの新しい工場も1坪あたり、月450円。
人件費は月15000円から。
これが、大阪から2時間の距離で、
空港から車で20分の場所である。
日本語の教育も受けた人がたくさんいる。
こんな国際的な競争の時代で、
果たして、日本は生き残っていけるのだろうか?
大阪ー中国の航空券は往復32000円であった。

そして、また、現地の役所の幹部が若い。
主任と言われる事業部門の長(日本では部長クラス)や
書記、市長、副市長クラスも40歳代が台頭している。
彼らが、日本の役所は硬直化しており、
融通が聞きませんねと言う。
企業誘致の担当長であるある30すぎの女性は、
年間、海外も含め、数十回の出張をこなし、
すでに、十数社の日本企業を誘致したらしい。

時代の激変期、過去に前例がない、条例にない、
などの、へりくつを言わずに、時代に柔軟に対応していかなければ、
日本の地方都市に未来はないだろう。
わが国の地方公務員は何か本当に自分の愛する地域のためになるかを、
真剣に考え、時には、枠を超えて行動していかなければならない。