松村つとむ: 2008年6月アーカイブ

 色んな場所で、よく25年も会社を続けられたな?と聞かれる。
その秘訣はと聞かれたら、多くの失敗をしているからと答える。
私は、何でもチャレンジするが、その多くが失敗している気がする。
でも、失敗を繰り返していると、成長もできる。
成功への勘どころもできる。
また、金銭的にも、1つの成功で、多くの失敗はカバーできる。
誰も失敗はしたくないであろうが、
致命的でない失敗はどんどんするべきではないだろうか。
成功者は成功論を語りたがるが、実は多くの失敗をしている。


 それに比べて、今の役所や大企業は、
あまりにも、失敗を避けようとする空気が強すぎないだろうか。
しかも、結果どころか、手段にまで完璧を求める。
だから、手段に熱中しすぎ、手段は完璧だが、
本筋が見えていないで、結果的に失敗するケースが多い。


 今の神戸市役所もそうであろう。
優秀な職員が完璧な文書、完璧な順序で、
仕事を進めているが、本体の目的そのものに失敗が多すぎる。
市民は、市民の視点にたった決め細かいサービスを
求める時代に、未だに、開発行政を止めようとしない。
そんなことを市民は求めていない。

 

 医療産業都市やマルチメディア都市など、
目標を掲げるが、正直、私には、ものたらない。
あれだけ、多くの費用をかけるなら、
職員をアジアの動きや、いや、少なからず東京の動きには、
もっと、どんどん触れさせるべきではないだろうか。
感覚的に遅れる神戸市。これでは、いくら手段が完璧でも、
本来の目的が、ずれていくのである。


 何より過去の開発による成功神話にも、早く卒業してほしい。
そして、無駄な手段に時間や労力をかけず、
新しい時代を切り開く失敗を、もっと、もっとしてほしい。
このチャレンジ精神こそ、大切なのであり、
過去の成功には、こうしたチャレンジ精神があったからこそ、
生まれたのである。若手職員に期待する。
一度限りの人生を、お互い悔いのないよう使いたいものだ。

三宮のお洒落スポットが元気がない。
南京町の南の栄町通り。
磯上グランド北。
トアロードウエスト。
旧居留地。
北野町。いづれも、お洒落な若者たちが集まるスポットである。
いつも閑散としている。

それに比べ、
東京の丸の内。
西麻布。青山。表参道。代官山。恵比寿。広尾。
どこに行っても、良い店は予約なしには入店できない。
神戸も、昔は元気であったのに。

タクシーの運転手さんに聞いた。
神戸って、やっぱり、暇なんですかね。
そりゃー神戸はだめやで。
神戸で、今、そこそこの生活できてるのは、
市役所の職員だけや。。

彼らは、いくら借金かかえても、
公務員だから、実感ないからな。。

私は、神戸市の開発型市政を未だに続けていることを
批判してきたが、本当の問題は、それではなく、
やはり、民間活力を育成してこなかったことであろう。

ナショナルミニマムを守るための、
公的機関が、わざわざ、わが社と役所を呼んで、
誇りに思っている。お上体質。

市民の力、民間企業の潜在力を引き出せる行政でなければ、
神戸の街に、活性化は帰ってこないであろう。

優秀なる神戸市職員。
先輩たちが創った古いビジネスモデルを打ち壊し、
新しい神戸市政を築いて行ってほしいものである。