松村つとむ: 2011年8月アーカイブ

 私が始めて義烏のことを知ったのが、今から6年前の1995年のことです。学生時代に起業し、20年間に渡って、ビジネスの情報を求め続けてきた私に、ある日、世界最大の日用雑貨卸売市場「義烏」への体験旅行の案内がきました。私は、直感的に感じるものがあり、この団体旅行に参加します。


 私の直感どおり、始めて福田市場に着いた時、「義烏」には、強く心を震い立たせるものがありました。日本人の感覚では考えられない巨大さ。また、市場の中にある熱気や躍動。そして、驚くべき価格。残念ながら、この団体旅行の滞在時間は短く、さっそく、翌週、義烏に来ることにしました。


 そこから私の「義烏」への訪問の繰り返しが始まります。この6年間で、数十回の訪問をしています。また、日本においても、様々な手段で、「義烏」のことを紹介し、多くの日本人も「義烏」に連れてきました。また、「義烏」の方々が日本に来られる時には、多くの案内もさせて頂いてきました。


 その中で、特に、「義烏」の人々を尊敬することが、義烏の精神、「正義」、「勇敢」、「誠実」、「勤勉」、「寛容」、「開放」の表れです。古くは、「鶏毛換糖」でしょうが、温家宝首相が言われるように、「義烏」は、まさに、「開拓」、「創新」、「堅実」、「苦労」、「活力」の模範都市であり、「義烏」の人々、すなわち、「人民」、「企業」、「政府」の三者が一丸となって、「義烏」の街を繁栄させています。


 私は、「義烏」の人々の「挑戦心」や「努力」の中で、特に、政府指導者の偉大さに注目しています。国の開放政策が始まる前の1982年に「義烏市1号通告」をいち早く発布し、今の原型となる市場を開設し、「興商建市」のもと、大きく街を発展させ、さらに、「引商商工」のもと、今の「義烏」を築いてきた政府の指導力は特筆すべき点だと考えています。


 こうして、この約30年間で驚くべき発展を遂げた「義烏」ではありますが、今、新たな転換点を迎えていると考えています。世界では、安さや品数だけで商品が売れる時代は終焉しようとしています。いかに、「品質」「デザイン」「サービス」などの「付加価値」、しいては、「豊かな生活提案」を行っていけるかが鍵です。世界で信頼される「義烏ブランド」を構築することが大切です。そして、ビジネスの成功の秘訣は継続です。


 そのためには、「政府」が、ビジョンを掲げ、さらに強く、「企業」や「人民」を指導していくことが必要だと私は考えています。「情報網」や「交通手段」の発達により、世界は、さらに近くなろうとしています。これからの「義烏」の「都市創造戦略」により、「義烏」は、まさに「世界の商品の交流拠点(ハブ)」になりえる可能性があり、世界的な都市発展の象徴となりえると私は考えています。


 私も、微力ながら「義烏」を愛する外国人として、「義烏」のさらなる発展に貢献できたらと考えています。「義烏」の皆さん、どうぞ、今後とも宜しくお願い致します。


   一般社団法人日本義烏友好協会 理事長 松村 勉

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